サメ食の文化が根付く新潟県上越市で2025年12月27日、年末恒例のサメの競りが行われた。同市木田1の一印上越魚市場にはぶつ切りにされたサメが氷の上にずらりと並び、競り人の声が響いた。

サメ肉は腐りにくいことから、上越地域では江戸時代から山間部の人々の貴重なたんぱく源として重宝されてきた。現在でも、正月に煮こごりや煮付けを食べる習慣がある。同市場ではサメは年間を通して入荷しているが、正月用の食材をそろえる毎年12月27日にまとまった競りが行われ、同市の年の瀬の風物詩となっている。
この日競りにかけられたのは、宮城県気仙沼港で24日に水揚げされた60〜70kgのオスのモウカザメ(ネズミザメ)20匹。フカヒレにするために、水揚げ後に尾びれや背びれ、胸びれは取り除かれている。入荷後にそれぞれ頭部を含め5、6等分にぶつ切りにされ、氷の上に並べられた。

午前7時に合図の鐘が鳴ると、スーパーや鮮魚店の仕入れ担当者10人ほどがサメを囲み、競り人の掛け声に応じて、鮮度や肉質などを確認しながら競り落としていった。1kg当たり1300〜1500円で取引された。

競りを見守った長野県佐久市の中学1年の男子生徒(12)は、「競りを見たのは初めてで、サメがずらっと並んでいてすごい。食べるのはフライが好き」と話していた。
同市場の尾崎徹社長(67)は「年々サメを食べない人が増えている。上越の伝統の正月料理なので、サメを食べて食文化を継承していってほしい」と語った。
競り落とされたサメは、早いところでは同日午後には店頭に並ぶという。