「越後瞽女」歌う石川さゆりさん 上越市の瞽女ミュージアム高田訪問 「歌い手として伝えたい」

演歌歌手の石川さゆりさんが2025年6月27日、盲目の女性旅芸人、高田瞽女の資料などを展示する新潟県上越市東本町1の「瞽女ミュージアム高田」を訪れた。石川さんは2023年にシングル「越後瞽女」を発表しており、29年ぶりに同市内で開かれるコンサートに合わせて来館した。

瞽女ミュージアム高田を訪れた石川さん

石川さんは20年以上前から瞽女唄や三味線を学び、ラジオドラマや舞台で瞽女役も演じるなど、瞽女との縁が深い。瞽女の厳しい門付け巡業の旅を情感豊かに歌う越後瞽女は、歌詞に高田や新井、直江津など上越地域の地名も盛り込まれている。

「瞽女さまのことを知りたくて、いろんな本を読んだ。こちらにも早くお邪魔したいと思っていたのでうれしい」と石川さん。ミュージアムを運営するNPO法人高田瞽女の文化を保存・発信する会の小川善司事務局長(76)の案内で、館内を約1時間かけて見学した。

小川事務局長の説明を熱心に聞く石川さん

瞽女唄を歌う高田瞽女の最後の親方杉本キクイさんの映像や、瞽女を描いた作品で知られる斎藤真一の絵画、開館10周年記念で展示中の瞽女が描かれた浮世絵などをじっくりと鑑賞し、途中石川さんが「瞽女万歳」の一節を口ずさむ場面もあった。また昨年解体されたキクイさんの旧宅を再現した部屋では、キクイさんが使っていたつえやつま折れ笠を手に取るなどし、「瞽女さまが年間300日も巡業に行っている間、家は誰が守っていたのですか」などと質問していた。

斎藤真一の絵画「赤倉瞽女の死」を鑑賞

キクイさんのつえを手に取る石川さん

石川さんは「瞽女さまたちが長い間、実際に活動されていたことが分かった。目が不自由であっても芸で身を立て自分たちでしっかりと生きていくという、生きざまがすごい。そういう一生懸命生きた女たちがいたことを歌にしたいと越後瞽女を作ったので、歌い手として瞽女さまたちの暮らしぶりなどを伝えていきたい」と語った。

石川さんのコンサートは上越文化会館で28日昼と夜の2回公演。27日時点で夜の部(開演午後6時)に当日券あり。

goze-museum.com