一年の無病息災など願う「さいの神」 上越市内の各地で実施

小正月の伝統行事「さいの神」が、新潟県上越市内各地の多くの町内会などで2025年1月11日から行われている。正月飾りや書き初めなどを持ち寄った住民たちが火を囲み、今年一年の無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を願った。

勢いよく燃える新町町内会のさいの神

新町町内会

新町町内会(高松義広町内会長)は11日、新町公園に竹やわらで高さ約8mのやぐらを組み、120人ほどの住民が集まり実施した。高松町内会長(74)はあいさつの冒頭、昨年元日に発生した能登半島地震に触れ、全員で犠牲者に黙とうを捧げた。「今年の上越市は節目の年。ヘビのように脱皮しながら、これを機会に新町は一致団結して、災害に強い安心して暮らせるまちを築きましょう」と呼び掛けた。

年男、年女が点火した

神事の後、年男と年女がさいの神に点火すると、炎と煙を上げて一気に燃え上がった。住民たちは火が落ち着くとスルメをあぶるなどして味わっていた。

スルメをあぶる住民

親子そろって点火役を務めた母親(35)は「今年は本厄なので(目標は)現状維持。家族全員健康に過ごせたら」と願った。息子(11)は「今年は修学旅行が楽しみ。習い事の陸上を頑張って大会で1位になりたい」と抱負を語っていた。

南本町3丁目町内会

南本町3丁目町内会(大塚誠町内会長)は南三世代交流プラザ脇の青田川沿いで恒例の「どんど焼き」を行い、集まった住民らが無病息災などを願った。

南本町3町内は青田川脇でどんど焼きを実施

同町内のどんど焼きは1999年から続く。無病息災、家内安全のほか、町内には商店も多いことから商売繁盛も願い、住民らが毎年大勢訪れる。

昨年9月にやぐらを作るための材料集めを行い、どんど焼き当日は朝から役員らが集まって竹やわらを組んで高さ約8mのやぐらを完成させた。やぐらには住民たちが持ち込んだ正月飾りや書き初め、昨年のお札などがくくりつけられた。点火前には町内にある正輪寺の小林政明住職が清めの読経を行い、住民らが見守った。

地元正輪寺の小林住職が清めの読経

午後2時、小学5年生の年男の児童らが持つ竹の棒に着火され、やぐらに点火。住民たちはパチパチと音を立てながら燃え上がるやぐらを見守っていた。

年男の小学5年生らが点火を担当した

点火を担当した南本町小5年の男子児童は「うまく火がつくか緊張した。今年は友達や先生、地域の人たちに毎日あいさつを続けることが目標」と話した。

大塚町内会長は「今日の天気のように明るく、(住民が)みんなで互いに助け合いながら楽しく健康に過ごしていければ」と語った。