新潟県妙高市にこのほど、子供の学びや居場所のサポート民間施設「おうちフリースクール はなはな」が開校した。不登校などに悩む小中学生を対象とし、子供が好きなことに一生懸命取り組むことで自信や意欲を育むことを支援する。利用に関する相談や申し込みを受け付けている。
同スクールは、有志の集まりで2024年5月に設立。子どもの居場所づくり等に関する取り組みを支援する県の「つながりの場づくり支援事業補助金」も利用し、今秋から活動の幅を広げた。スクールを主宰するのは、川久保実穂さん。福井県の出身で、社会人を経て渡米し、現地の公立小学校では日本文化や日本語などを紹介する講師を、帰国後は英会話学校で講師を務めた。結婚を機に妙高市に移住し、現在は自宅で英語教室を開いている。
スクールを立ち上げたきっかけは、川久保さん自身の子供に起きた小学校への行き渋り。「甘えでは」「仲の良い友だちもいるのに」など子供の気持ちがつかめなかったが、「学校に行きたくない」も子供の大切な気持ちとして受け止めたという。そして学びのプロセスは人それぞれだと思い、自分のペースで学べる子供たちの居場所を作ることを考えた。
川久保さんによると「心身の不調から一日学校に通うのはきつい」「大人数の中では落ち着かず集中できない」など子供たちの悩みはさまざまといい、スクールでは勉強、遊び、読書、掃除、仕事体験、睡眠など、基本的に児童、生徒がやりたいことを主体に過ごしてもらう。不登校と言っても「しばらく登校していない」「月に数回欠席する程度」など一人一人状況は違うため、子供本人や保護者と話し合いのうえサポート内容を決定。ゆっくりと着実に子供のやる気につながる「学びのスイッチ」を入れることを目指すという。
【はなはなが目指す「育むこと」】
自己肯定感
- 「やりたいことに集中する」(自分で決めた行動を繰り返す)
- 「人の役に立つことを体験する」(協力店での就業体験を通し、任された仕事から「ありがとう」を受け取ること)
自分らしく生きる力
- 自立への練習(食事を子供たちで手作り)
- お金の使い方・作り方練習(手伝いでもらえる対価「ありがとうポイント」)
強みをつくる
- 「好き」は「強みの芽」(強みにつながる好きを1つ見つける)
サポートは川久保さんのほか、複数のスタッフで当たる。保護者同士での情報交換会を行うほか、保健師による「心と身体の健康相談室」も開設している。また保護者の希望があれば、スクールでの活動や学習の様子などを「活動報告書」としてまとめ、在籍学校へ報告、相談なども行うという。
- 対象:小学1年生から中学3年生まで
- 開校日:水、金曜の午前9時〜午後3時(各曜日の定員は4人)
- 費用
- 生徒登録料:2000円(保険料込み)
- 入会金:5000円
- 1Day利用:1回3500円(入会不要、月3回まで)
- 月4回:1万3000円
- 月8回:2万5000円
「友だちの家に遊びに行くような気持ちで通ってもらえれば。いろいろな経験を通して、良い記憶が残る子供時代を過ごしてもらいたいので、悩まれている方はぜひご相談ください」と川久保さんは話している。
- 所在地:妙高市美守3
- 電話:080-3046-5611
- メール:ouchi8787@gmail.com
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