新潟県妙高市は2024年12月4日、農地維持活動などを行う団体への国の「多面的機能支払交付金」について、不適切な支出が確認され、国などに返還すると発表した。返還額は1529万2000円に上る。
不適切支出が確認されたのは、市内26集落でつくる「妙高市広域協定運営委員会」。交付金は農地法面の草刈りや農道の路面維持などの活動に支払われるが、このうち1集落が2018年から2022年まで、補助対象外となる地下水路の清掃への申請、作業日誌や金銭出納簿などの書類の不備があった。
昨年4月に別の所属集落から市に相談が寄せられ、同運営委員会に聞き取り調査などを行って判明。集落への制度内容の指導や提出書類のチェック不足などが原因としている。交付金は国が2分の1、県と市がそれぞれ4分の1を負担しており、国と県に計1146万9000円の返還が必要となることから、12月議会最終日に補正予算を追加提案する。市は同運営委員会に、市の負担分も含めた全額返還を求めている。
市政の信用を損ねたとして、城戸陽二市長と西澤澄男副市長は来年1月からの3か月、減給10分の1とし、12月議会最終日に給与条例の改正案を提出する。また2日付で40、50代の担当職員5人を戒告、管理監督者の職員4人を訓告処分にした。
城戸市長は4日の市議会全員協議会で陳謝し、「不適切な事務処理により、市政に対する信頼を大きく損なう結果となり深くおわびする。職員一人一人が職務に精励するとともに、チェック体制の強化に取り組み、市政への信頼回復に努める」とコメントを発表した。