郷土の戦国武将、上杉謙信の故事にちなんだ和菓子「川渡餅」が2024年11月30日、12月1日の2日間、新潟県上越市内の菓子店で販売されている。1個130円(税別)。
無病息災を願って食べる川渡餅は謙信が甲斐の武田信玄との川中島の合戦で千曲川を渡る際に、餅を兵に配って士気を高め勝利したという故事に由来する。同市では謙信の戦勝と武勇にあやかろうと、川を渡った前に食べた餅を12月1日に「川渡餅」として食べるようになり、市民には冬の訪れを感じさせる味として根付いている。
市内に2店舗ある笹川菓子店(笹川弘文社長、西城町3)では、30日午前2時から仕込みを開始。上越産もち米を使った餅を北海道産小豆を使用した自家製あんでくるむ工程を笹川社長の父親、静夫会長(89)らが担当し、熟練の手つきで作り上げていった。2日間でつぶあん、こしあんの2種を8000個製造販売する予定だ。
同店は通常、開店時間は午前8時だが、川渡餅を販売する2日間は予約客らにも対応するため同7時半には店を開ける。販売初日は同店で毎年購入しているファンらをはじめ、多くの人たちが商品を求め、朝から客がひっきりなしに訪れていた。
店頭で販売を担当する静夫会長の妻、キヨ子さん(84)は「いつも購入してくださる方も多くいらっしゃる。『楽しみ』『来年も食べたい』と思っていただけるように頑張って作っていきたい」と話した。同店では、1個140円で販売し、6個、10個のパック販売のほか、バラ売りにも対応している。