新潟県の上越市社会福祉協議会は2024年11月26日、ベトナムの日本語学校と人材雇用の分野で連携する覚書を結んだ。積極的な外国人雇用で、人手不足が加速する介護福祉人材の確保につなげる。
同社協が覚書を結んだのは、ベトナム南部のビンロン省にあるニャン・ヴン日本語学校。昨年11月に本県とビンロン省が交流協力の覚書を締結し、今年8月に県から同省へ企業間交流などを目的とした訪問団を派遣した。これに同社協が参加し、同校と交流を持ったことから人材派遣の連携を依頼した。
2026年から5年間にわたり、同校の生徒などを毎年5人ずつ採用することなどを約束した。採用した人材は、来日後に3年間日本語と介護を学び、介護福祉士の資格を取得後、同社協の介護・障害者施設に勤務する。
同校ではこれまで、介護や農業などの分野で7000人以上を日本に送り出してきたという。同社協で開かれた調印式に出席したリー・ゴック・ディップ校長は「ベトナムには日本のような介護の仕事はないが、家族が互いに面倒をみる文化がある。これから若く元気な子を新潟に送れることを喜んでいる」と語った。
同社協では、外国人留学生の採用に関する10年間の長期計画を作成し、今年初めて2人の留学生を採用した。計画ではベトナムのほかミャンマー、ネパールからも人材を確保し、2033年までに計83人の採用を計画している。
渡邉隆会長は「社会福祉の仕事はますます大切なインフラを作る仕事になっている中、高齢者が増え、人材がなくなってきているのが日本の問題点。計画にのっとり、これからも着実に人材交流をやっていきたい」と話していた。