保倉川放水路の津波対策など検討する部会が初会合 放水路形状や道路網なども検討

新潟県上越市に建設が計画されている保倉川放水路の津波対策や建設予定地周辺のまちづくりについて検討する専門部会の初会合が2024年11月13日、同市頸城区のユートピアくびき希望館で開かれた。部会は、元日の能登半島地震で関川を津波が遡上(そじょう)して浸水被害が発生したことから、地元住民の津波対策への懸念の声を受けて新たに設置された。

「保倉川放水路治水対策・防災まちづくり検討部会」の初会合

「保倉川放水路治水対策・防災まちづくり検討部会」は、放水路など関川水系の治水対策を検討している有識者会議「関川流域委員会」に意見を述べる。部会長に就任した、同委員会の委員長で土木研究所水災害・リスクマネジメント国際センターの小池俊雄センター長をはじめ、地震や津波、都市工学、まちづくりなどの学識経験者9人で構成する。

会合前には委員6人が津波被害を受けた関川河口や放水路の建設予定地などを視察した。小池部会長は「『防災まちづくり』の言葉の中には、さらに地域がにぎわい、コミュニティーが活性化する意味が込められていることを委員に了解いただき、議論を進めていきたい」とあいさつした。

保倉川放水路のルート図(2024年11月13日部会資料より)

同部会は治水対策、防災、まちづくりの3点を検討する。具体的には、治水対策では放水路や橋梁などの形状、防災では発生頻度は低いものの発生すれば甚大な被害をもたらす最大クラスの津波や洪水発生時の住民避難や防災施設のあり方、まちづくりでは放水路で分断される道路ネットワークの再構築や、公園や集落コミュニティー関係施設の配置計画などを議論する。

保倉川放水路河口部予定地を視察する委員ら

国交省高田河川国道事務所によると、地域住民の声を反映させるため、次回会合では住民意見を聞く方法から議論していくという。最終的には「保倉川放水路の治水対策、防災まちづくり計画」をとりまとめ、流域委員会に報告する。

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