高田瞽女を描いた上越市出身の仲田大二回顧展 学校などへの寄贈作品も展示 11月17日まで

旧高田市立城北中学校の校長などを務め、退職後は画家として活動し、盲目の女性旅芸人、高田瞽女(ごぜ)を描いた新潟県上越市の仲田大二さんの回顧展が2024年11月15日、同市本町5のあすとぴあ高田5階ミュゼ雪小町で始まった。かつて美術館や学校などに寄贈された作品9点を特別展示するほか、主に仲田家が所蔵していた60点あまりの作品が並ぶ。

瞽女を描いた作品と仲田実行委員長

上越市(旧直江津町)出身の仲田さんは、教員を定年退職後に創作活動に専念し、日展や一水会展など中央の公募展に入選、入賞し活躍した。瞽女を描いた作品を数多く残している。仲田さんは1992年に80歳で他界。数百点に及ぶ遺作を保管していた自宅は2003年に火災で全焼し、ほとんど焼失してしまったという。

火災を免れた一部の作品を受け継ぎ、昨年急逝した長男の忠洋さんは、生前、「遺作を整理しお披露目したい」と語っており、忠洋さんの妻の尚美さん(67)が代表を務める実行委員会が約1年がかりで準備し回顧展を開催した。

大作が並ぶ美術館や学校などの寄贈作品

会場には小林古径記念美術館の所蔵作品や城北中、戸野目小、直江津小、上越文化会館などに飾られている瞽女や地元の風景を描いた100号などの大作をメインに、ヨーロッパや古里の風景画などを展示。自宅の焼け跡に残っていた焦げたスケッチ画や創作の日々をつづった日記、瞽女について「消えてしまわぬうちにもっと高田瞽女を取材して、我が国の盲女が果たした大きな使命を考察しなければならない」などと記したノートなども展示している。

初日から大勢の人が訪れている

尚美さんは「義父が亡くなって30年以上がたっているが、のべ150人の方が回顧展開催に協力してくれた。上越に根付いた画家が、地元の目で見た瞽女や瞽女文化、古里への思いを感じ取ってもらえたら」と話していた。

会場別室には共催企画として、明治と大正のレトロ着物や竹灯籠作家の作品なども展示している。入場無料。17日までで、時間は午前10時〜午後6時(17日は午後3時まで)。

本町4「ギャラリー祥」でも作品展

連動企画として本町4の画廊「ギャラリー祥」でも「仲田大二作品展」を開催している。2026年3月末に閉院する新潟労災病院(東雲町1)所蔵の瞽女を描いた100号の「鎮魂の丘」をはじめ、ヨーロッパの町並みなどの風景画や人物画など約25点が並ぶ。17日まで。

「ギャラリー祥」で開催中の「仲田大二作品展」

www.gallerysho.jp