弾道ミサイル想定し上越市で初の避難訓練 住民や国、県、市など約70人参加

外国からの弾道ミサイル発射を想定した住民避難訓練が2024年11月10日、新潟県上越市で初めて開かれた。住民のほか国や県、市の職員ら総勢約70人が参加し、有事の行動を確認した。

今池地下横断歩道に避難する住民

弾道ミサイル発射時の適切な避難行動を周知するため、国や県、市が実施し、住民約50人が参加した。同市内では、武力攻撃事態等に備えた避難施設が317か所、このうちコンクリート造りの建物や地下施設といった、弾道ミサイル攻撃の被害を軽減するための緊急一時避難施設が132か所指定されている。今回は指定避難所の県立高田南城高校と、緊急一時避難施設の今池地下横断歩道の2か所で行われた。

訓練は、外国から弾道ミサイルが発射され、日本に飛来する可能性があると想定。防災行政無線の屋外スピーカーで弾道ミサイルの発射が放送されると、今池地下横断歩道には住民15人が続々と避難し、しゃがんで両手で頭を守る避難姿勢を取った。

しゃがんで頭を守る参加者

今池の町内会長(71)によると、地下道への避難訓練に参加したのは町内会役員らのみだが、事前に避難行動をまとめた資料を町内全戸に配布し、窓から離れるなど自宅でできる行動を各自行うよう呼び掛けたという。「(ミサイル発射について)最初は真剣に避難場所を考えるなどしていたが慣れてしまっていたので、今までにない訓練で地域には刺激になったと思う。何が起こるか分からない世の中なので、こういう訓練も必要」と話した。

国が呼び掛けている弾道ミサイル飛来時の行動(国民保護ポータルサイトより)

訓練後の講評で県防災局危機対策課の寺谷文夫参事は、「皆さんに適切な対応を取ってもらい、避難のイメージをつかんでもらったと思う。ミサイルは発射後10分ほどで着弾すると言われ、その中で適切な避難行動を取ることが重要。『起こるはずない』と思わず『もしかしたら』という気持ちを持って、日頃から心構え、行動の備えをしてほしい」と呼び掛けた。

また同市役所では、市職員の初動対処訓練も行われた。

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