佐渡から江戸幕府に金銀を運んだ「金の道」を歩く佐渡市主催のイベント「『御金荷(おかねに)の道』ウォーク」が2024年11月4日、新潟県上越市で初めて開かれた。参加した市民らは当時の旅装束で歩き、世界遺産に登録された「佐渡島(さど)の金山」の歴史に思いをはせた。
金の道は、佐渡から出雲崎港、柏崎や高田を通る北国街道と中山道を経て、江戸までを結んだ約400kmの輸送経路。佐渡島内では毎年金の道を歩くイベントが行われており、昨年は世界文化遺産登録の機運を高めるため、初めて島外の沿線地域でも行われた。今年は世界遺産登録のピーアールと、沿線自治体間の交流を図り、島外では上越市、長野県上田市周辺、東京都板橋区の3か所で実施される。
上越市のコースは上越文化会館(新光町1)から雁木通りプラザ(本町3)までの約10km。出発式には渡辺竜五佐渡市長と中川幹太上越市長も役人の時代衣装で出席した。
渡辺市長はあいさつの冒頭、「佐渡の世界遺産を軸に対岸の上越市の皆さんと佐渡、上越を元気にしていこうとご協力いただき、無事に登録された」と感謝を述べ、「今日は当時江戸までつないだ道を歴史に浸り楽しみながら歩いていただけたら」と呼び掛けた。中川市長は「佐渡島の金山が世界遺産登録され、上越市は西の玄関口として佐渡市の皆さんと協力しながら盛り上げたい」などと話した。
参加者は、上越市をはじめ佐渡市や新潟市など県内各地から約80人が集まった。かさを被った旅装束に千両箱を背負い、蟹池地蔵尊など歴史深いスポットに立ち寄りながら、秋晴れの下を歩いた。
上越市大潟区から参加した60代と70代の夫婦は「衣装で昔の雰囲気を感じながら気持ちよく歩いた。10kmは長いと思ったが、歴史の説明を聞きながらなので楽しい」と話していた。
今後は長野県で16日、東京都で30日に実施される。