【動画】上越市で「被爆ピアノ」演奏会 平和願う音色響く 沖縄の三線との合奏や演奏体験も

79年前の広島への原爆投下に耐えた「被爆ピアノ」の演奏会が2024年10月27日、新潟県上越市頸城区のユートピアくびき希望館で開かれた。元ピアノ教室講師による演奏をはじめ、沖縄の三線との合奏や観客による演奏体験も行われ、平和への願いを込めた音色が会場に響いた。

沖縄の三線と被爆ピアノの合奏

演奏会はNPO法人子どものオンブズにいがた(新潟市西区)の協力で上越地区平和環境労働組合会議が主催し、約50人が来場した。被爆ピアノのコンサート活動は、被爆2世で広島市の調律師、矢川光則さん(72)が所有者から託された7台のピアノを修復・所有し、2001年から全国各地で開催している。10月21日から25日までは、同NPOの主催で上越市内10校の小中学校で演奏が披露された。

被爆ピアノとコンサート活動を紹介する矢川さん

くびき希望館での演奏会では、1938年に製造され爆心地から約3kmの民家で被爆したアップライトピアノが音を奏でた。ピアノは2017年にノーベル平和賞を受賞した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)をたたえ、ノルウェー・オスロ市で開かれたノーベル平和賞コンサートで演奏されたもので、側面に爆風で飛散したガラス片が突き刺さった傷が残る。

矢川さんは「このピアノは切れた弦を2本交換しただけでほとんど被爆当時のまま。来年は被爆・終戦80年の節目でもあり、被爆ピアノが平和の尊さを考えるきっかけになってほしい」と話した。

ガラス片による傷が残る被爆ピアノを演奏する観客

元ピアノ教室講師の池田真喜さんが「桜」「夏は来ぬ」など3曲を、またオーレンプラザ副館長の横手正実さんの三線との合奏で「さとうきび畑」「ふるさと」など4曲を披露した。演奏体験をした市内の小学4年生の女子児童は(10)は「普通のピアノと比べて音は小さいけれど響きが違った。とても弾きやすかった」と話した。

この日は矢川さんとピアノをモデルにした映画「おかあさんの被爆ピアノ」も上映された。

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