第50回衆院総選挙が2024年10月27日に投開票され、与野党一騎打ちとなった新潟5区では、立憲民主前職の梅谷守氏(50)が自民前職で5期務めた高鳥修一氏(64)を破り、2度目の当選を果たした。高鳥氏は派閥パーティー券還付金の政治資金収支報告書不記載問題で党から処分を受け比例重複立候補が認められず、比例復活もなかった。
◇新潟5区
当 梅谷 守 114,429
高鳥修一 92,589
投票率 62.62%
投票総数 213,851票
無効票 6,833票
選管確定
市町村別の得票数は次の通り。
市町村名 | 梅谷守 (立憲民主党) |
高鳥修一 (自由民主党) |
---|---|---|
上越市 | 52,947 | 37,060 |
南魚沼市 | 14,171 | 12,240 |
十日町市 | 14,068 | 12,549 |
糸魚川市 | 9,837 | 12,212 |
魚沼市 | 9,814 | 7,811 |
妙高市 | 8,892 | 6,581 |
津南町 | 2,571 | 2,497 |
湯沢町 | 2,129 | 1,639 |
合計 | 114,429 | 92,589 |
梅谷守氏 午後8時過ぎの当確「地元に恩返ししたい」
前回僅差で初当選を果たした梅谷氏は、2期目を目指した今回は午後8時過ぎに早々と当選確実が報じられ、集まった約40人の支持者らを驚かせた。支持者や報道陣が待ち構える中、午後8時半に上越市木田1の事務所に拍手で迎えられた梅谷氏は、歓喜の万歳をした。
梅谷氏は今年2月、選挙区内で日本酒を配っていた問題を報じられ刑事告発を受けており、捜査が続いている。梅谷氏は開口一番「今回の選挙は私自身の問題で大変厳しい選挙で、判断を迷われた有権者も多かったと思うが、『それでも梅谷だ』と多くの方々から押し上げていただき、心から感謝したい」と述べた。そして「これからしっかりと国会で仕事をし、このご恩を地元にお返しするために、とことん汗をかいていく。政治をきれいにしてほしい、政権を変えてほしいという思いに寄り添って、しっかりと頑張らせていただく」と力強く決意を語った。
選対本部の山岸行則幹事長は「今回の当選は本人の努力もあるが、敵の失敗の方がもっと大きい。これからしっかりと5区で地盤を固めていかなければならない」と支持者に支援を呼び掛けた。
高鳥修一氏 「裏金のレッテル足引っ張った」 今後は「白紙」
高鳥陣営は上越市新光町1の上越文化会館で、応援市議ら約50人の支持者が集まり、テレビ中継を見守った。午後8時過ぎに梅谷氏の当選確実が報じられると、会場は静まり返り重い空気が漂った。午後8時45分、ねぎらいの拍手を受けながら会場入りした高鳥氏は「大変厳しい結果が出たのはひとえに私の力不足。心から深くおわび申し上げ、厳しい逆風の中で大変な応援を連日いただいたことを一生忘れません」と話し、深々と頭を下げた。
新たな選挙区の魚沼地域を含め、自民党の県議や市議の支援を受け組織戦を繰り広げた高鳥氏。報道陣の取材に対し「やはり裏金のレッテル貼りが非常に足を引っ張った。裏金も脱税もないと説明したけれど、この期間で十分な理解がいただけなかったことは残念だった」と悔しさをにじませた。今後については「まだ白紙」とした上で、「体は健康で、衆議院議員として5期当選を重ねることができた。個人としては何らかの形で政治に関わって、この地域に貢献したい」と話した。