アートを通じて地域活性化を図る市民主体の芸術イベント「なおえつうみまちアート」が2024年8月24日、新潟県上越市の直江津地区で始まった。海岸や商店街、水族館など、各所でアート作品の展示をはじめワークショップやスタンプラリーなど多彩な企画が行われ、地域への愛着やにぎわい作りを目指す。9月16日まで。
今年で4年目を迎えたなおえつうみまちアート。市が2021年に首都圏などの現代アート作家による作品を展示して初開催し、翌年からは地元の市民有志が実行委員会を組織する市民主体のイベントに生まれ変わった。
24日、直江津ショッピングセンターエルマールでオープニングイベントが開かれ、重原稔実行委員長は「若手が実行委員会に入り、新しい取り組みで2、3年目より楽しんでもらえるイベントになったと自負している。皆で直江津、上越にたくさんの笑顔を作り、一緒にまちを盛り上げていきたい」とあいさつした。
会期中、直江津各所では地元のアーティストや子供たち、市内外の大学生らによる様々な作品が展示される。
船見公園の砂浜では、能登半島地震の復興を願い、1〜2.5mの8本のスギ材を能登地方に向けて設置した「NAOETSU TO NOTO」を展示。「互いに頑張ろう」と架け橋をイメージしている。その近くにはカラフルな上越産チタンを使ったオブジェ「チタンの窓2024」が置かれ、窓枠のようなオブジェを通して、時間とともに移ろう日本海の景色を見ることができる。
ライオン像のある館(中央3)では、約1週間ごとに入れ替わりで企画展を実施。8月30日までは上越地域の若手作家6人による作品展「海辺にレモンの木を植える(2)」が開かれている。魚やエビ、アザラシなど海の生き物のイラストや彫刻、和紙で波を表現した作品など、海にまつわるものをはじめ、日常風景の写真をまとめたZINE(冊子)や雄大な自然を捉えた山岳写真など、各々の感性が詰まった作品が並ぶ。午前10時〜午後5時。
同館の中庭では、新潟大学准教授で鋳造アート作家の三村友子さんによる、直江津の砂浜でアルミを流してかたどったオブジェ「波を聴く」を展示している。午前10時〜午後4時。
市立水族博物館うみがたり(五智2)内のレストラン入り口には直江津の魅力を描いたステンドグラス風ガラスペイントが施され、直江津屋台会館(西本町4)ではうみがたりのゴマフアザラシ・ジローをモチーフにした巨大な木像展示(土日曜午前10時〜午後6時)も行われる。
また、直江津地区の園児や小学生が海をテーマに描いた1000点以上のイラストを、エルマール2階無印良品直江津店内や直江津駅自由通路、直江津港佐渡汽船ターミナル、直江津駅前商店街など7か所で展示している。
会期途中から始まる展示や、週末を中心に行われるワークショップやマルシェなどのイベント、スタンプラリーもある。詳細はうみまちアートのホームページで確認できる。