JAえちご上越の本年度産米の検査が2024年8月26日、新潟県上越市長面の長面検査場所で始まった。この日対象となったのは早生品種「つきあかり」約18tで、検査の結果、全量が1等米となった。主力品種のコシヒカリの検査は9月10日頃から始まる。
同JAは長年、9月に入ってから米の初検査を行ってきたが、上越産つきあかりは関東圏で早場米としての需要があり、4年前からは約1週間早めて8月中に検査、出荷している。昨年の初検査では、猛暑、渇水などの影響でつきあかりの1等米比率は約61%で、全期間を通し、8.4%と厳しい状況となっていた。
今年の検査初日は同JA職員で県農産物検査協会の農産物検査員3人が上越市内で収穫されたつきあかりを検査。米粒の張りや厚さ、色、水分量、ひび割れやカメムシ被害などを白と黒のトレイなどを使いながら丁寧に調べた。
検査の結果は全量が1等米で、粒の張り、厚みは平年よりも良かったという。早場米のため、青未熟粒の混入のほか、基部、腹白、背白など、乳心白粒が見受けられたものの平年より少なかった。同JAによるとつきあかりは1等米が出にくい品種で、検査員の上野康好さんは「例年と比べても色の濁りやカメムシの被害も少なく、(米粒の)厚みもあり、ふっくらとし、とても良かった。今年は検査でほとんど悩まずに1等でいけると思った」と話した。
検査を終えた米はトラックに積まれ、集まった関係者に見守られる中、出荷された。8月30日から首都圏などのスーパーで販売されるという。
羽深真一経営管理委員会会長は全量1等米の結果に「一安心した。生産者も努力してくれて、非常に良いスタート。主力のコシヒカリなども例年以上に1等米となるように祈って期待したい」。また、昨年度の米の生育不足から一部スーパーなどでは米の在庫がなくなるという問題もあり、「米不足の話もあるが、一日も早くえちご上越米を届けられるよう努力したい」と話した。
同JAの本年度の米検査は一般検査場所など27か所で行われ、検査数量は76万5230俵を予定している。11月30日までに終了する。管内の作付け状況はうるち米、醸造用米、もち米の計1万2103ha。