郷土の戦国武将、上杉謙信の遺徳をしのぶ「第99回謙信公祭」(2024年8月24、25日)の出陣行列が24日、新潟県上越市の春日山周辺で行われた。謙信役の元宝塚歌劇団男役で新潟市出身の越乃リュウさんが白馬に乗ってさっそうと登場し、凛々しい姿で沿道に詰めかけた観客を魅了した。
出陣行列は上杉謙信率いる上杉軍と武田信玄率いる武田軍の武将や兵にふんして練り歩き、川中島合戦の再現に向かう祭りの主要イベントの一つ。北は秋田県から、南は鹿児島県からエントリーがあり、約300人が参加。来年の第100回に向けた盛り上げを図るため、謙信役には2015年のGACKT(ガクト)さん以来、9年ぶりにゲストを招へいした。
午後4時30分、地元の春日中学校生徒や上越教育大学学生による演武が披露された後、武田軍、上杉軍の順で隊列を組み、山麓線を進んだ。同5時30分前、観客が集まる春日山交差点に甲冑と白い頭巾をまとい、馬にまたがった越乃さんが姿を現すと「お館様」「リュウさん」と黄色い歓声が上がった。
越乃さんは「皆で同じ方向を向き、誰一人取り残すことなく全員で未来に進んでいくことこそが、我が思う上杉の義じゃ」と述べた。そして「いつ何時もこの上杉の義を持って前に進むのじゃ。いざ出陣じゃ」と力強く叫ぶと、参加者と共に「エイエイオー」とときの声を上げた。
宝塚の大ファンだという同市昭和町2の女性(64)は、越乃さんの名前などが書かれた手作りのうちわを持って応援。「とても素敵で他の誰よりも輝いていた。口上も重みがあって、男役時代のリュウさんをほうふつとさせられた」と興奮気味に話していた。
これまで2日目に行われていたメインの出陣行列と川中島合戦の再現は、県外からの来訪者の市内観光を促すため初日の24日に行われた。25日はこどもみこしパレードや武てい式、武将隊大合戦、大民謡流しなどが行われる。詳細は上越観光Naviで確認できる。