新潟県内の若手農業者団体が日頃の課題解決に向けた取り組み、成果を発表する「サマーフェスティバル」が2024年7月に新潟市で開かれ、上越地域の若手農業者グループ「ひかり」(篠宮直樹会長)が最優秀賞を受賞した。11月に富山県で開かれる北陸ブロック農業青年会議に県代表として出場する。
農業を支える20〜30代の若い農業者が中心となって組織し、地域農業を盛り上げたり、課題解決へ向けて取り組んだりする「県農業改良クラブ連盟(4Hクラブ)」と県が主催する企画。今年は県内10のクラブがそれぞれ取り組んできた課題や成果、技術などについて発表した。
「ひかり」は「働き続けられる職場を目指して」をテーマに発表。「仕事内容がきつい」「給与・休日が少ない」を理由に、農業従事者が離職する状況をなくすため、働き方改善や給与面の改善に向け、経営主と従業員がそれぞれの立場で意見や問題、改善点を出し合ったことや改善するための取り組み内容についてまとめた。
テーマを発案した吉川区の旭アグリカントリー、高橋伸さん(27)は「農業が好きで就職している人が、(給与や休日の不満を理由に)辞めていくのはさみしいし、下の世代にはそういう思いをしてほしくない」という思いからプロジェクトを進行。自身の農場で従業員のスキルを可視化する「スキルマップ」を作成したり、農繁期のシフト制休日を試験的に導入した。改善に向けた取り組み内容、成果も発表し、審査員からは地域での波及も期待されたほか、農業における働き方改革の取り組みが高く評価されたという。
高橋さんは「経営者側が前向きに歩み寄ってくれた。給料など話しにくい話題もあったが、環境を良くしていくため、上の世代、これから就職を考えている世代にも考えを広めていけたら」と振り返った。
篠宮会長(29、篠宮農園)は「仲間と構成したプロジェクトで経営側、従業員側とそれぞれの立場で話し合え、良い経験ができた。これからも青年農業者と話し、議論することで、11月の発表内容もより良いものになると思う」と話していた。