上越海上保安署によると2024年8月10日、新潟県上越地域の海岸で海水浴客がオコゼとみられるものを踏みつけ、痛みやしびれを訴えて救急搬送される事故が相次いだ。いずれも軽症で命に別条はない。
発表などによると同日午前9時頃、上越市虫生岩戸の海岸で、埼玉県行田市の小学生女児(7)が足が着く浅瀬で遊んでいたところ、何かを踏みつけて痛みを訴え、付近にいた父親が119番通報した。女児は同市内の病院に搬送されたが、傷の程度は軽く、治療後に帰宅した。女児は両親と小学生の兄の家族4人で海に泳ぎに来ていた。
また同日正午頃、糸魚川市の浦本漁港付近の海岸で、波打ち際を歩いていた長野県長野市のアルバイト女性(20)が、何かを踏みつけて痛みとしびれを訴え、同市内の病院に救急搬送された。傷は軽症で治療後に帰宅した。女性は両親と家族3人で海水浴に来ていた。
いずれの事故も発生場所は海水浴場以外の海岸。上越市立水族博物館うみがたりによると、上越沖などにはオニオコゼやハオコゼが水深200m辺りから浅瀬まで広く分布している。誤って踏んでしまうケースが多く、刺されると痛みや腫れ、しびれなどの症状が出る。
また同署には、「カツオのエボシ」や「カツオのカンムリ」などと呼ばれる毒性のあるクラゲの漂着情報も寄せられているという。同署は「海岸や波打ち際を歩く時は素足にならずにシューズを履くようにしてほしい。異常を感じたら、すぐに医療機関を受診して、周囲の人にも知らせるなど事故防止に努めてほしい」と呼び掛けている。
上越市虫生岩戸の現場付近