パリ五輪陸上女子1万m決勝に出場した小海遥選手(21、第一生命グループ)を応援しようと、地元の新潟県妙高市では2024年8月10日未明、パブリックビューイングが開かれた。メダルには届かなかったものの、初出場の大舞台で力走する姿に、集まった市民ら150人が声援を送り、健闘をたたえた。
午前4時前のスタートにもかかわらず、会場の市総合体育館には開始1時間前から出身校の関係者、同級生ら友人、陸上部の後輩などが続々と詰めかけた。手製の鉢巻きやうちわを持参し、気合十分の様子で中継を見守った。
スクリーンに小海選手が映ると、会場はスティックバルーンを打ち鳴らし「遥! 遥!」の大合唱。レース序盤はスローペースで集団の前方から中央辺りに付けていたが、中盤のペースアップについて行けず離され、トップと約1分差の31分44秒03で19位となった。来場者は「お疲れ様」「感動をありがとう」などと声を上げ大きな拍手を送っていた。
城戸陽二市長は「新井中のグランドデザイン『不撓不屈』の通り決して諦めない心を妙高市民に届けてもらった」と感謝し、「オリンピックに出ること自体が偉業。次のロサンゼルスも目指して頑張ってほしい」と願った。
新井中時代に小海選手を指導した陸上部副顧問で、現上越市立三和中教諭の北川智也さん(39)は「本人も悔しいと思うけれど、この経験をこれからの競技人生に生かしてほしい。『よく頑張った』と声を掛けたい」。新井中陸上部の後輩で大学生の長澤ちなさん(21)は「一緒に走っていた遥先輩が大きな舞台で走っているのを見て勇気をもらったし、ひたむきに目標に向かって頑張る姿、挑戦する姿に感動した」と話した。
レース終了後のインタビューで小海選手は「正直全く戦えなかった」と悔しさをあらわにしつつも、「世界との差を肌で感じられてよかった。今度は自分が世界に差をつけたい」と力強く語っていた。
小海選手は妙高市立新井中央小、同新井中出身。仙台育英高卒業後に第一生命グループに入社した。同市出身の夏季五輪代表は小海選手が初めて。