ガラスにきらめく直江津の魅力 地元中高生らがうみがたりの壁に描く なおえつうみまちアートに向け

新潟県立直江津中等教育学校の美術部は2024年8月5日、地元の芸術イベント「なおえつうみまちアート」(24日〜9月16日)に向け、上越市立水族博物館うみがたりのガラス張りの壁に、直江津をモチーフにしたイラストを描いた。海に沈む夕日やうみがたりのマゼランペンギンなど直江津の魅力を盛り込んだステンドグラス風のガラスペイントで、完成前から来場者の目を引いていた。

うみがたりのガラス張りの壁にイラストを描く生徒ら

ガラスペイントは、うみまちアート実行委員会が上越教育大学大学院で油絵を教える伊藤将和准教授に制作を依頼し、地元の中高生にも参加してもらおうと声を掛けた。直江津中等の生徒らは6月から5回ほど集まり、直江津の名所を散策したり、うみがたりのバックヤードを見学したりして地域の魅力を学習。各自が持ち寄った図柄のアイデアを伊藤准教授がまとめ、下絵を制作した。

伊藤准教授が制作した下絵

イラストは縦1.8m、横6mの大きさで、波打つ日本海をベースに、沈む夕日や船見公園の人魚像、えちごトキめき鉄道のSLと雪月花、直江津祇園祭の花火や屋台、うみがたりのアザラシやイルカなどが躍動感たっぷりに描かれている。制作2日目となったこの日は、美術部員約20人のほか大学院生らも協力してカラーペンで着色作業を実施。凸凹の風合いを出すため木工用接着剤を塗ったガラス面に、生徒たちは下絵にはない色を重ねたりグラデーションを出したりと自ら工夫しながら色を塗っていった。

カラーペンで色を塗る生徒

美術部部長で5年の男子生徒(16)は、江戸時代に活躍した北前船の図柄を提案し採用された。「直江津の歴史の変遷を表現したかった。ペンを細かく動かさないと色が上手くのらないので難しい。日の光が入ってきて、下絵よりも奇麗に見えてワクワクする」と話した。

うみがたりに入って左側、レストラン入り口の壁に描かれている

伊藤准教授は「うみがたりのロゴから黄色と水色、青色を取り入れ、うみまちアートの象徴的な作品になりたいと思い制作した。できるだけ多くの方に見てもらえたら」と語った。うみまちアート実行委員会の重原稔委員長は「うみがたりのお客さんに水族館だけでなく地域に興味を持ってもらうきっかけになる作品になった」と話していた。

なおえつうみまちアートはアートの力で直江津を盛り上げようと2021年に始まった。4回目となる今年も、市民による多彩なアート作品の展示やワークショップ、マルシェなどさまざまな企画が約3週間にわたって行われる。今回制作したガラスペイントはこの日完成し、うみまちアートの会期終了まで見ることができる。

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