なおえつ海水浴場が海開き 津波被害受けた海の家も一部営業開始

能登半島地震で津波被害を受けた新潟県上越市のなおえつ海水浴場が2024年7月13日、海開きを迎えた。津波で押し流されたり浸水したりと甚大な被害があった海の家は、一部が営業にこぎつけ、初日から多くの県外客らでにぎわった。

なおえつ海水浴場で砂遊びを楽しむ子供連れ

元日の地震で津波が押し寄せた同海水浴場では、海の家の資材や小屋などが流され、隣接する道路も塞がれた。7軒の海の家全てが被害を受け、うち2軒は資金繰りのめどが立たないとして今夏の営業を断念。残り5軒が海開きに向けて小屋の修繕や客席の設営など復旧作業を進め、2軒が初日から営業を開始した。

海の家で食事する家族連れ

初日から営業を開始した海の家「すず風」

この日は午前中から気温27度を超える夏日となった。砂浜にはテントが立ち並び、家族連れらが泳ぎや砂遊びを楽しんだり、海の家では海水浴客が水着姿でラーメンやカレーをほおばったりと、海水浴シーズンならではの光景が広がった。

テントが立ち並ぶなおえつ海水浴場

長野県上田市から家族で訪れた小学2年生の女子児童(7)は「(水温が)ちょうどよくて気持ちいい。魚もいる」。父親(35)は「(直江津は)毎年来ている一番身近な海。(津波被害で)やっていない海の家もあるが、子供たちが楽しく遊べる環境になっていてよかった」と話していた。

設営作業が進む海の家

なおえつ浜茶屋組合の桑原尚二組合長(59)によると、残りの海の家3軒は、来週以降のオープンを目指して設営作業を進めている。また、組合では津波被害のあった海の家の床材などを使った日除け付きのレンタルスペースを砂浜に新設したほか、上越市は津波に備え、指定緊急避難場所のびょうぶ谷野球場へ続く避難用階段を、海水浴場そばに2か所設置。海開きに向け環境を整えた。

バーベキューもできる全8棟のレンタルスペース。料金は広さにより1日5000円または9000円

道路脇の2か所に設置された津波避難階段

桑原組合長は「(自分の海の家は)営業が間に合わず悔しいが、海水浴場を開設でき、いつも通り遊びに来てくれる方がいてほっとしている。ぜひ地元の方も、夕日を見るだけでも遊びに来てほしい」と話している。

海水浴場の開設は8月18日まで。期間中は監視員が午前8時30分から午後5時まで常駐する。

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