静岡県島田市の地方鉄道、大井川鉄道は2024年6月12日、退任する新潟県上越市のえちごトキめき鉄道の鳥塚亮社長(63)が次期社長に内定したと発表した。トキ鉄の鳥塚社長は26日の株主総会で退任後、28日に開かれる大井川鉄道の株主総会と取締役会を経て、大井川鉄道の社長に就任する予定。
鳥塚社長は大井川鉄道の社長就任後も、トキ鉄の相談役は務める。
静岡県中部を南北に走る大井川鉄道は、蒸気機関車(SL)や人気アニメ「きかんしゃトーマス」の主人公を模したSLの運行などで知られる。2022年9月の台風被害で、一部区間の運休が続いている。
鳥塚社長は「地方鉄道同士で長年交流もあったほか、(大井川鉄道で)昨年末に発生した走行中に連結器が外れる事故の対応などでアドバイスした経緯もあり、今回お話をいただいた。3セクで培った地域のマイレール意識の向上などを、私鉄の大井川鉄道にも広めていきたい。相談役としてレールパークなどのトキ鉄のお手伝いは引き続き行っていく」と話した。
千葉県の第3セクター鉄道いすみ鉄道の社長などを経て2019年9月に就任した鳥塚社長は、旧国鉄車両「観光急行」の運行や「D51レールパーク」の開園、リゾート列車「雪月花」を使ったイベント開催などが注目を浴びた。2024年5月31日の取締役会で社長退任が決まっていた。