関根学園野球部でまた暴力事件 先輩「指示」で1年生複雑骨折 学校「じゃれあい」と説明

新潟県上越市大貫の関根学園高校野球部で、2年生が1年生に互いの肩を殴り合うよう指示し、指示に従った1年生部員が右手首を複雑骨折していたことが2018年9月6日までにわかった。けがを負った部員は「先輩の指示に逆らうことができなかった」としているが、学校側は「強要はしていない。部員同士のじゃれあいのようなものだ」として強要や暴行を否定している。

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6月15日午前6時半前、学校近くの寮に住む部員約30人が学校の駐車場で素振りの練習をしていたところ、2年生の一部部員が1年生同士で互いの肩を殴り合うよう指示した。1年生の部員は同級の部員から殴られた後、相手の肩を殴り返した際に自身の右手首を複雑骨折した。

けがをした部員や複数の関係者によると、この事件の後も2年生による「指示」は続き、指示に従わなかった1年生に2年生が後ろから近づいて脇腹を強く蹴る暴行を加えたことがあったという。1年生部員の一人は「力を抜くともっとちゃんとやれと言われる。従わないと何をされるかわからない」と話した。

1年生部員が重傷を負ったことについて鈴木重行校長は「2年生が肩にパンチをしろと指示したことは事実だが、強要はしていない。部員同士のじゃれあいのようなもの」と説明。このけがの後に2年生が1年生を蹴ったことについて野球部の安川斉監督は「その時に2年生がパンチを指示したとは聞いていない。1年生を呼んだのに返事をしなかったからということで、練習の後のスキンシップのようなものだ」と説明している。

学校側はこれらの行為について、強要、暴行とは認めていないが、「指示」した結果1年生が重傷を負ったのは事実だとして、2年生の一部部員について部活動への参加を禁じ個別学習させる謹慎処分にしている。県高野連には1年生部員が重傷を負ったことを報告したという。

鈴木校長は「学校で起きたことはすべて私の責任。今後はこのようなことが起きないよう善処したい」としている。

野球部では、昨秋、安川監督が部室で部員に殴る蹴るなどの暴行を加え、今年1月、安川監督と教員の男性部長がそれぞれ日本学生野球協会から謹慎処分を受けている。

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