イトーヨーカドー直江津店が閉店 32年の歴史に幕

新潟県上越市西本町3のイトーヨーカドー直江津店が2019年5月12日、閉店した。午後7時から閉店セレモニーが行われ、佐藤聡店長が感謝の言葉を述べ、32年の歴史に幕を閉じた。「直江津ショッピングセンター」は53のテナントの専門店街「エルマール」は営業しているが、イトーヨーカドー直江津店の閉店により売り場の半分以上が空き店舗となった。

閉店セレモニーの動画

店長以下従業員が並んで閉店セレモニーが行われた DSC_3110-2

 「32年間本当にありがとう」

営業最終日は名残を惜しむ市民らで店内はごった返した。

閉店間際の午後7時前には、従業員が通路に並び、最後の買い物を終えた客に「ありがとうございました」と声をかけて送り出した。従業員、客のいずれにも涙ぐむ姿が見られた。

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閉店時間の午後7時過ぎ、多くの買い物客らが見守る中、閉店セレモニーが行われた。佐藤店長がシャッターの前に立ち、「本当に感謝の言葉しかない。32年間本当にありがとうございました」と言うと、集まった買い物客から拍手が送られた。

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買い物に来た西本町2の女性(70)は「週に3回は買い物に来ていた。本当にさみしくてしょうがない。今日は朝からずっと買い物をしている。次にどんな店が入るのか分からないけど、生鮮食品を扱うスーパーにきてほしい」と話した。

地元主導のSCとして出発

イトーヨーカドー直江津店は、地元主導のショッピングセンター開発として進められた「直江津ショッピングセンター」のキーテナントとして、1987年6月にオープン。直江津中心市街地の中核商業施設として集客とにぎわい創出の中心として機能してきた。

売り場半分以上が空き店舗に

直江津ショッピングセンターの店舗面積は1万3630平方m。このうちイトーヨーカドー直江津店の売り場が7000平方mを占めており、半分を超える面積が空き店舗となる。53のテナントの専門店街「エルマール」は引き続き営業を続けており、土地、建物を所有する頸城自動車が後継テナントの誘致を進めている。

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「地域活性化に寄与するSCに」

イトーヨーカドー直江津店について頸城自動車は「永い間地域の皆様に親しまれ、地域社会発展に貢献された功績ははかり知れない」と感謝を示した上で、今後については「核となる店舗がなくなり苦境を迎えることになったが、今後も直江津地区の中心として物を売るだけでなく、活性化に寄与できるショッピングセンターになるよう取り組む」と後継テナント誘致を早急に進める姿勢を示している。同社は、食品スーパーなどを含む複数の事業者と交渉しているとみられるが、具体的な内容については明らかにしていない。

県内のヨーカドー新潟市1店だけに

イトーヨーカ堂を傘下に持つセブン&アイ・ホールディングスは不採算店舗の閉鎖などを進めており、新潟県内では今年昨年8月に「イトーヨーカドー丸大柏崎店」(柏崎市駅前2)、今年2月にイトーヨーカドー丸大長岡店」(長岡市城内町2)を閉店。今回の直江津店閉店で県内では「イトーヨーカドー丸大新潟店」(新潟市中央区)だけとなった。

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