【TJ調査隊】朝市の “どら焼き” って上越だけの和スイーツ?

上越では朝市で売っている小さめの大判焼きのことを“どら焼き”と呼んでいますが、“どら焼き”って一般的にはドラえもんの大好物のあの和菓子じゃないんですか?(上越市・フーテンのドラさん)

ウィキペディアによりますと、どら焼きとは「やや膨らんだ円盤状のカステラ風生地2枚に、小豆餡を挟み込んだ和菓子のことを指す」とあります。ドラえもんの大好物としても知られ、上越地域の和菓子店でも売っています。

しかし、上越・妙高地域の朝市の露店で売っている “どら焼き” は、和菓子というより、手軽な庶民のおやつ。小麦粉を主体にした生地を焼き型に流し込み、中にあんを入れて焼いたものです。一般的には大判焼き、今川焼きと呼ばれているものですが、直径5cmほどの小型であることが特徴です。

あつあつがおいしい朝市のどら焼き。経木にのせ、緑色の薄紙で包装するのが特徴
2017-09どら焼きS

いつも行列ができる「町田商店」のどら焼き店。写真左が町田富洋さん
どら焼き

70年近い歴史を持つ「町田商店」の2代目、上越市東本町3の町田富洋さん(68)にお聞きしました。

――いつからどら焼きを始めたのですか。

町田 戦後まもなく父が始めたので、70年近く経っているんじゃないかな。私が30歳の時から父と2人でやり、15年前に父が亡くなり引き継ぎました。

――上越地域の朝市で見かけますが。

町田 高田、直江津、新井、柿崎の朝市に出しています。1年中だね。最近は朝市に来る人が減ってきたけれど、5月の野菜苗が出回る時期が一番売れます。冬は天候次第で、売れ行きが安定していない。

――朝市の定番として人気がありますが、製法の秘密は?

町田 製法はシンプルで、昔から粉の配合やあんこの量などは一切変えていないんですよ。あんこは小豆から煮る自家製です。あんこを仕入れていたら1個40円を維持できないからね。

――3個10円の時代もあったそうですね。

町田 昭和30年代は3個10円。1個10円、20円、30円と変わってきて、今の1個40円になってから25年ほど経つかな。原料が値上がりしているので、今度消費税が上がれば値上げせざるを得ないね。

――なんで、どら焼きと言うんでしょうね。

町田 関東で “今川焼” と呼んでいるものと焼き方は同じ。焼き型にドラ(銅鑼)の模様が入っているので、当初から “どら焼き” と呼んでいたんじゃないかな。下越地方のポッポ焼きと同じく、“どら焼き” は上越地方特有のものらしいね。今の焼き型は創業当時から使っているはず。昔は炭で焼いていたけれど、今はガスを使ってるよ。

焼き型にはドラの模様が付いている
焼き型

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