全5つのトンネルが貫通 4車線化工事進む上信越自動車道 2018年度内の完成目指す

2018年度中の工事完了を目指し、4車線化が進められている上信越自動車道で2018年3月8日、工事対象区間では最後のトンネルとなる新潟県妙高市の「観音平トンネル」が貫通した。トンネル内で開かれた貫通式には工事関係者ら約120人が出席。岩の壁が砕かれてトンネルが貫通し、外から太陽の光が差し込むと、出席者は万歳をして喜びあった。

2018年3月8日に貫通した金谷山トンネルで、関係者らが記念撮影
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上信越自動車道の4車線化事業は、管内で唯一、暫定2車線となっている信濃町インターチェンジから上越ジャンクション間の37.5kmで進められており、トンネル5本、橋20基が新設される。渋滞緩和や対向車線への飛び出し事故の防止、冬期の円滑な交通確保などを目的としている。

新設されるトンネルは北から順に上越市の金谷山トンネル、妙高市の観音平トンネル、宮内トンネル、鮫ヶ尾トンネル、天神堂トンネルの5つ。いずれも4車線化後は下り線で使用される。観音平トンネルは妙高市雪森から同市青田までを結ぶ全長533m。2016年11月に同市雪森側から掘削を開始し、青田側へと向かって掘り続けていた。ネクスコ東日本によると、周辺は砂岩と泥岩が重なり合うもろい地質のため、慎重に工事を進めてきたという。今後はトンネル内の舗装などが行われる。

また、観音平トンネルから天神堂トンネルまで、全4トンネルと橋3基の約2.2kmの区間では積雪対策のため、3基の橋にスノーシェルターと呼ばれる屋根を取り付ける。工事完了後は4つのトンネルと合わせて、1つの長いトンネルとなる。

この日の貫通式では、重機を使って最後の壁を砕き、トンネルを貫通させた。その後、塩や米や神酒をまく清めの儀式が行われ、樽開きで貫通を祝った。

貫通を記念し、樽開きが行われた
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ネクスコ東日本新潟支社信越工事事務所の川崎健史所長は「太陽の光を見るために、暗い空間の中で大勢の人が作業してきた。今までの努力が報われた思い。工事はまだまだ続くので、安全を最優先に進めていきたい」と話していた。

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