「(仮称) 上越市体操アリーナ」を新設 総事業費は最大26億円

新潟県上越市は、大潟区に体操競技専用施設「(仮称)上越市体操アリーナ」を整備する計画を2017年6月6日、市議会文教経済常任委員会で明らかにした。市によると、県内はもちろん国内トップクラスの体操施設で、総事業費23〜26億円をかけて整備し、東京五輪前年の2019年12月の完成を目指す。

既存の大潟体操アリーナから東に約1km

建設予定地は、体操の練習施設である「大潟体操アリーナ」(大潟区潟町)から東に約1kmの場所にある国際石油開発帝石所有の土地約1万1700平方m。

建設予定地
建設候補地

「(仮称)上越市体操アリーナ」建設予定地(大潟区九戸浜)
上越市体操アリーナ

東京五輪でドイツ事前合宿

同市は「体操のまち上越」を標榜しており、2020年の東京五輪でドイツ体操チームの事前合宿の誘致を決めている。既存の大潟体操アリーナは練習施設で、大会は開催できない。このため、市では北信越大会など国内ブロックレベルの公式大会が開催できる施設を整備することで、既存の大潟体操アリーナとの相乗効果を期待するともに、体操を通じた市民の健康増進などを図る。

国内有数の体操専用施設

新施設は、国際体操連盟の基準を満たした施設で延床面積約3800平方m。大会では器械体操の男女合計10種目の同時開催ができるほか、練習では器械体操、新体操、トランポリンの3種目同時実施が可能な国内有数の施設となる。観客席は250席で、駐車場は148台。

事業費は最大26億円

事業費は土地取得を含めて23〜26億円と試算しており、柳澤祐人教育部長は「これが上限と考えている」と説明した。このうち本体工事費は約18億円。財源には合併特例債を活用する。本年度に実施設計と用地取得を行い、来夏には建設工事に着手する。2020年の東京五輪の前年の2019年12月に完成予定。

機能見直しで事業費増

当初、大潟体操アリーナを拡張する形で計画されたため市の財政計画では事業費を4億5000万円としている。その後、機能を大幅に見直したため事業費が増えた。議員からは事業費の増額について「唐突に感じる」(上野公悦議員)といった意見や、「この時期、この地でこれだけの施設となるといろいろな議論が出ると思う」(江口修一議員)などという声が出た。

また、土地を所有する国際石油開発帝石の調査で、敷地内の一部から環境基準を超えるテトラクロロエチレンと鉛が検出されたが、市が周辺地下水の調査を実施したところ、全ての調査地点で測定できる値に満たない量だった。