日本最古のワイン蔵公開へ 岩の原葡萄園全面リニューアル

=2013年6月11日更新=

日本ワインの父、川上善兵衛が1890年に始めた上越市北方のワイナリー、岩の原葡萄園(坂田敏社長)は7月から敷地内の工場や事務所、ワインショップなどの改装工事に入る。ワインの品質向上を目的に生産棟などを一新するとともに、これまで非公開だった現存するワイン蔵として日本最古で国登録有形文化財の第1号石蔵も見学できるようにする。完成は来年9月を予定している。

改築後に公開される予定日本最古の第1号石蔵
ishigura

同社によると、工場は1946年に建造されたものがベースになっており、老朽化でここ最近は雨漏りも発生しているという。加えて2年前に発生した東日本大震災を受けて改築することになった。

7月から工事を始め、事務所などが入るワインショップや裏手の倉庫を取り壊し生産設備や事務所が入る鉄骨造り一部2階建ての「生産設備・事務所」棟を建設する。これに伴い貯蔵タンクを8基増やしタンク数は25になる。タンク増設で同社の畑で収穫された良質なブドウを最大限に生かし、ワインの品質向上を目指す。

その後、醸造棟などを壊して1階にワインショップや2階にレストランが入る建物を建設する。2階にはこのほか、現在向かいの高士地区多目的研修センターに入っている川上善兵衛資料館を移設する。

新しい工場や社屋が建った岩の原葡萄園のイメージパース(鳥かん図)
tyoukan

工事費は概算で約5億円。改築部分の延床面積は2740平方メートル。完成後の生産能力は720ミリリットル換算で年間40万本と工事前と変わらない。

これまで1895年建造の第1号石蔵は工場内にあり、ワインの製造上、一般の立ち入りができなかった。改築後はワインショップなどが入る建物が隣接し、見学できるようになる。

工事期間中もこれまで通りに営業を続ける。

↓岩の原葡萄園のホームページ
http://www.iwanohara.sgn.ne.jp/