国宝の太刀購入に暗雲 「契約金額折り合わず」上越市が契約議案提出見送り

新潟県上越市が購入を予定している上杉謙信の愛刀で国宝の「太刀無銘一文字(号 山鳥毛)」について、村山秀幸市長は2017年8月28日の記者会見で、「所有者との間で契約金額に折り合いがついていない」として来月開かれる市議会9月定例会への契約議案提案を見送ることを明らかにした=写真=

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太刀は国宝刀剣の中でも最高傑作の一つとされ、岡山県在住の個人が所有しており、岡山県立博物館に寄託されている。上越市は本年度の当初予算で専門家による評価額3億2000万円を購入費として計上し、所有者と交渉してきた。

村山市長は「年度内の早い時期に購入できるよう交渉を進めてきたが、現段階で所有者と最終的な契約金額の折り合いがつかず、仮契約の締結に至っていない」と説明。交渉にあたっている市教育委員会に対して、これまでの交渉経過を点検、確認するとともに引き続き誠意を持って交渉するよう指示したことを明らかにした。

同市では太刀購入に向けて昨年10月から官民一体となった募金活動を実施しており、8月25日時点で約7284万円が集まっている。このほかにも市外企業を対象とした企業版ふるさと納税を実施予定だが、この事業は太刀を取得してからでないと実施できない。

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