上越の正月に欠かせないサメの競り 一印上越魚市場

新潟県上越市木田3の一印上越魚市場(尾崎徹社長)で2015年12月27日、年末恒例のモウカザメの競りが行われた。競り人の威勢の良い声が響く中、氷の上に置かれた20匹のサメを鮮魚店やスーパーの鮮魚担当者らが競り落としていった=写真=

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上越地方では特に山間部で正月料理に煮こごりなどが昔から食べられている。サメの肉にはアンモニア成分が多く、独特の臭みがある反面、腐りにくいことなどから昔から山間部に暮らす人々の貴重なタンパク源となってきた。同市場では毎年、暮れの27日にサメの競りを行っており、今年は宮城県の気仙沼港に26日に水揚げされた重さ50〜90kgの20匹が入荷した。尾崎社長によると「昨年より10匹ほど少ないが、鮮度はとても良い。今日は(刺し身の)試食も用意した」。

サメは1匹を4、5等分に切られ、氷が敷かれた上に並べられた。午前7時、競りの開始を知らせる鐘の音が鳴り響くと、同市場営業一部の寺嶋啓太郎部長が競り人となり、サメを囲んだ買い手たち約30人がテンポよく競り落としていった。

上越地域スーパーの担当者は「昔よりはサメの消費量は落ちているが、正月にぬたや煮こごりを食べる所も多い。今日のサメは鮮度が良い。すぐに仕込んで店頭に並べたい」と話していた。