新型コロナ感染者への誹謗中傷やめて 上越市長が会見 市民に冷静な対応求める

新潟県上越市で初めての新型コロナウイルスの感染者らに対して根拠のない差別的な誹謗中傷が絶えないことから、村山秀幸市長は2020年4月10日、緊急の記者会見を開き、市民に冷静な対応をするよう求めた=写真=

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「出ていけ」などの電話も

4月7日に感染が判明した市内の30代男性会社員について、SNSなどで事実と異なる情報が多く出回り、感染者と会社の同僚やその家族などに対する誹謗中傷の書き込みが広がっている。また男性の勤める会社の社長によると、知らない人からの電話で「ここから出ていけ」などと言われたり、会社に入るところを写真に撮られたりするなど差別的な扱いを受けている。同社ではこうした人権侵害について法的措置を検討している。

地域の市民力問われる

記者会見した村山市長は「市民の皆様には、事実と異なる情報をむやみに拡散せず、人権に配慮していただくようお願いしたい」と呼び掛け、「地域の市民力というか、市民一人一人がこのことをどう捉えるのかが問われている」と述べた。

市コールセンターの担当者罵倒も

また、初めての感染者が確認された7日から市が開設している健康相談コールセンターには、10日午後の時点で400件を超える問い合わせがあった。体調の相談などよりも感染者の個人情報や行動履歴についての問い合わせが多く、市の担当者が個人情報を答えないと罵倒されることがたびたびあるという。村山市長は「感染者の公表は保健所を所轄する新潟県が行うため、県が公表している範囲で市も公表していることをご理解いただきたい」と話した。

また、国が緊急事態宣言を発令した7都府県について「週末を迎えるが、対象地域への往来をぜひ控えていただき、せきエチケットや手洗いを行い、三つの密を避けるよう改めてお願いしたい」と呼び掛けた。

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